ディスクファックス構想

この項目では任天堂が描いていた構想について解説しています。実際のネットワークについてはファミリーコンピュータ ネットワークシステムディスクファックスのページを参照して下さい。

ディスクファックス構想』とは、任天堂第二開発部によって推進されていたファミリーコンピュータ ディスクシステムを利用したネットワーク構想の名称で、ディスクシステムの発売前から構想が行われていた。

目次

概要

電話機の横にディスクファックスと言うディスクカードを差し込むことが出来る名称の機械を置いて行われるネットワークシステムで、実際に行われたディスクファックスファミリーコンピュータ ネットワークシステムの中間に当たるようなサービスが考えられていた。

本サービスが後発のネットワークサービスともっとも異なる点は、ゲームハードをネットワークには使用せず電話機とケーブルで接続した機器を使用する点にある。

自宅の電話番号や相手先の電話番号が記録されたオレンジ色の専用ディスクカードを用いて、ネットワークからディスクファックスに差し込まれているディスクにデータの書き込みを行い、実際の閲覧はディスクシステムを用いて行うこととなる。

このような形態となっている理由としては電話機とテレビの距離が離れていることと、ネットワークを使用することによって電話線を占有することによって受け入れられない事への対抗策と思われる。

また、データの受信はランプの点灯によって連絡してくれるなど後のWiiConnect24を彷彿とさせる機能を搭載している。

サービスの概要としては塾などからテストを配信し、ディスクシステム上で回答を行って返信。採点されて再配布される学習支援機能や、近所の店舗からチラシの送付を行い、ディスクシステム上で注文を行って返信することで配達が行われる機能、健康診断の結果を家庭に配布する機能などが考えられていた。

これらは後のWiiチャンネルでの出前チャンネルWii Fit からだチェックチャンネルなどを彷彿とさせる。

また、別の色のディスクカードを使用して相手先とメッセージのやりとりを行う機能も考えられていた。これは今日で言う電子メールに相当する機能で、1984年に国内初のパソコン通信が開局されるなどネットワークを利用したメールシステムは当時はまだ一般的ではなかった。

また、ネットワークの黎明期であることから任天堂だけではアイディアが考えられなかったのか、ファミリーコンピュータmagazine1986年3月号紙上で読者からのアイディアを募集している。

ここで応募された主なアイディアには下記のような物が存在している。

  • ゲームのDL販売
  • ネットワーク対戦
  • チケット予約
  • 救急車の手配
  • 天気図の作成

これらのアイディアはファミマガ紙上で発表されているが、ディスクファックスのシステムを考えると「ネットワーク対戦」は不可能であるし、救急車は電話をかけた方が確実に速いと思われる。

また、ゲームのDL販売については「既存の小売店が打撃を被る」という理由でファミマガ編集部が現実的ではないと判断していた。

このような当時としては先進的なネットワーク構想であったが、実際には挫折している。ただし、アイディアの一部はファミリーコンピュータ ネットワークシステムで使用され、また20年以上後にWiiのネットワーク構想として花開いている。

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